MENU CLOSE

BLOG リノベジャーナル

コラム

2022.07.02

家づくり お金

リノベーションをすると固定資産税は上がる?リノベと税金の関係を徹底解説

リノベーションを検討中の方にとって、固定資産税の変化は気になるトピックの一つでしょう。住宅をリノベーションすると、固定資産税が上がるケースもあれば下がるケースもあります。また、改修内容によっては税額に増減がない場合もあります。ここでは、リノベーションと固定資産税の関係を解説するとともに、どのようなリノベ工事をすると固定資産税が変動するのか、具体的なケースを取り上げて紹介します。

 

固定資産税とリノベーションの関係とは?

固定資産税とは、土地・家屋・償却資産などの固定資産にかかる税金のことです。地方税のため、課税主体は地方自治体です。基準日である1月1日時点に該当する固定資産を所有している人が納税義務者となります。

 

固定資産税の計算方法と目安、納税スケジュール

現在マイホームに住んでいる方は、戸建て・マンション、新築・中古の別を問わず、固定資産税の納税義務があります。マイホームにかかる固定資産税の目安は、年間10万円前後と言われています。

固定資産税は下記の計算式から求めることができます。

<固定資産税の計算式>
固定資産税=課税標準額×標準税率(1.4%)

この計算のベースとなる「課税標準額」は、国が定める固定資産評価基準にもとづいて決定されるものです。なお、標準税率は自治体ごとに定めることができるので、1.4%よりも高いケースもあります。

固定資産税の確定と通知書の送付、納税スケジュールは下記の通りです。

<固定資産税にかかわるスケジュール>
賦課期日:1月1日
税額決定・通知書送付:4月1日
納付期日:第1期納付(4月末日まで)、第2期納付(7月末日まで)、第3期納付(12月末日まで)、第4期納付(翌年2月末日まで)

固定資産税とリノベーションの関係

固定資産税は、課税標準額が上がれば税額も増加し、課税標準額が下がれば税額は下がります。リノベーションやリフォームとの関係で言えば、建物の改修や補修、工事などによって、「建物の価値」が上がれば課税標準額も増加するので、固定資産税も高くなります。

ここでいう「建物の価値が上がる」とは、建物に対して大規模な改修を行うことを指します。通常、大規模な改修工事などを行う場合には、地方自治体の当該部署や民間の指定期間に「建築確認申請」を提出します。

換言すれば、「建築確認申請」を提出するような大きな改修工事(リノベーション、リフォームを含む)の場合、建物の価値が上がり、それに伴って固定資産税も増加するというロジックです。

 

建築確認申請が必要なケースとは?

建築確認申請が必要なのは、「建築物の主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)のうち、一箇所以上について、半分以上の修繕や模様替えを行う場合」です。

逆に、間仕切り、間柱、ひさし、小階段、屋外階段などに改修やリフォームを加える工事は「大規模ではない工事」=「建築確認申請が不要」=「固定資産税に影響を与えない」可能性が高いということです。

なお、固定資産税の増減にかかわる建物の価値については、自治体によって判断が異なります。一概に、リノベーションをしたら固定資産税が上がる、小さなリフォームならば固定資産税に影響しないなど、明確に規定はできません。固定資産税について気になる場合は、リノベーションの計画段階で不動産会社やリノベーション会社に相談すると良いでしょう。

固定資産税が変わらないリノベーション

ここでは、具体的にどのようなリノベーションが固定資産税に影響を与えるのかを見ていきます。最初に、固定資産税が変わらないケースについて解説します。

 

原状回復のためリノベーション

長い期間住宅に住み続けると、建物内外のさまざまな箇所が経年劣化していきます。例えば、外壁のヒビ、内装の壁紙の破れや染み、配管の詰まりなどの不備、床の家具痕、レンジフードやガスコンロの油汚れなどです。これらの補修工事や取り替え工事は原状回復の範囲内にあたり、建物や設備の価値や機能が向上するわけではありません。そのため、固定資産税が上がることはありません。

 

建築確認申請が不要のリノベーション

前述の通り、建築確認申請が必要なのは、「建築物の主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)のうち、一箇所以上について、半分以上の修繕や模様替えを行う場合」です。つまり、該当の箇所について、半分以下の修繕や模様替えなどは、建築確認申請が不要なので大規模な修繕に当たらず、固定資産税にも影響を与えないということです。

主要構造部の壁や床のうち、壁紙やフローリングや畳の張り替えなどは小規模なリフォームに含まれるので建築確認申請は不要です(=固定資産税に影響しない)。また間仕切り壁も主要構造部ではないので、建築確認申請を提出せずに内装工事が可能です。

 

耐震補強のためのリノベーション

小規模の耐震補強のリノベーションを行う場合に、資産価値に影響を及ぼしません。例えば、柱などに耐震補強用のシートをかぶせたり、金属板を巻くなどの補強工事が該当します。なお、後述するように、大規模な耐震改修・リフォームは税制優遇措置を受けられるため、固定資産税が下がります。

固定資産税が上がるリノベーション

ここではワンストップリノベーションの主なメリットを4つ解説します。

一体型ローンが利用しやすい

固定資産税が上がるリノベーションは、主に次の3つのいずれかに該当する場合です。

 

床面積が広くなるリノベーション

床面積が広くなるリノベーションを行うと、固定資産税の計算式のベースとなる「課税標準額」も増えるので税額が上がります。具体的なリノベーション例としては、1階建てから2階建てへの増築や、同敷地内に別の建物を建てるケースが該当します。またサンルームの増築も増築に当たるので、固定資産税が上がる可能性があります。一方で、屋根がないウッドデッキは増築に当たらないなど、構造によって課税の対象外となるケースもあります。

 

住宅用から別用途に変更するリノベーション

住宅として利用している建物を、リノベーションによって事務所や店舗に変更すると固定資産税が上がります。住宅用の土地には、税金の特例措置が適用されており、土地の広さに応じて固定資産税の価格が1/3もしくは1/6に軽減されています。建物の用途が事務所や店舗に変わることで、この軽減措置の適用外となるため、結果的に固定資産税が上がります。

 

主要構造部に手を入れるリノベーション(スケルトンリノベーションなど)

ここまで述べてきたように、建築確認申請が必要な、主要構造部に手を入れる工事は建物の価値が向上するため固定資産税も上がります。建物の骨組みだけを残して、大規模なリノベーションを行う「スケルトンリノベーション」も固定資産税が上がる改修工事に含まれます。ただし、耐震や省エネ基準に対応したリノベーションを行うことで、固定資産税が下がるケースもあります。

固定資産税が下がるリノベーション

地方自治体や国による減税制度を利用することで、リノベーションによって固定資産税を下げることもできます。

※なお下記で取り上げる固定資産税の軽減措置は、適用期限が2022年3月末までのものです。期限の延長の可否については、国土交通省のホームページなどで確認する必要があります

 

バリアフリー改修のためのリノベーション

65歳以上の方や要介護者、障害者が住む住宅において、一定のバリアフリー改修を行った場合には、改修工事翌年の固定資産税が1/3軽減される減税制度が利用できます(100㎡相当分まで)。減額の要件は下記の通りです。

<住宅種類の要件>
・築年数が10年以上経過した居住用の住宅

<居住者の要件>
・65歳以上の高齢者
・障がい者の方
・要介護認定、要支援認定を受けている方
※上記いずれかの方が住んでいること

<その他要件>
・自己負担額が50万円を超えていること
・2022年3月末までにリノベーション工事が行われていること

耐震改修のためのリノベーション

軽微な耐震強化改修は固定資産税に影響を与えませんが、大規模な耐震改修工事の場合、要件を満たせば、減税制度が利用できます。この制度を利用すれば、工事翌年から2年間、120㎡相当分まで固定資産税が1/2になります。適用要件は下記の通りです。

<住宅種類の要件>
・1982年(昭和57年)1月1日以前に建てられた住宅
・新耐震基準を満たす改修工事であること

<その他要件>
・工事費用が50万円以上であること
・2022年3月末までに耐震改修工事が行われていること

 

省エネ改修のためのリノベーション

省エネ基準を満たしたリノベーションを行った場合にも、減税制度が利用できます。工事翌年の固定資産税が120㎡相当分まで、1/3減額されます。適用要件は下記の通りです。

<住宅種類の要件>
・賃貸住宅ではないこと
・2008年(平成20年)1月1日以前に建てられた住宅

<改修工事の要件>
・次の①の工事、または①とあわせて②〜④の工事を行うこと
①窓の断熱改修工事
②床の断熱改修工事
③天井の断熱改修工事
④壁の断熱改修工事
・改正省エネ基準に適合していること

<その他要件>
・自己負担額が50万円を超えていること
・2022年3月末までにリノベーション工事が行われていること

まとめ

中古物件を購入してリノベーションをする場合には、新居に対する課税なので、固定資産税の変動はあまり気にならないかもしれません。ただし、現在の住宅をリノベーションする場合には、改修内容によっては固定資産税が高くなるので気になる方もいるでしょう。

本記事で取り上げたように、「床面積が大きくなる」「用途を変更する」「スケルトンリノベーションなど大規模改修を行う」場合には、固定資産税が上がり、反対に減税制度を利用すれば固定資産税が下がる可能性があります。

いずれにしても、あらかじめ固定資産税の詳細を知っておけば、急な増減に驚くことはないでしょう。また前述したように、マイホームにかかる固定資産税はおおむね10万円前後です。負担が増加する場合でも、これまでの納付額からプラス数万円程度でしょう。つまり、リノベーション工事の費用に比べれば、そこまで気にするほどの金額ではありません。

リノベーションの内容や物件を決める時には、固定資産税のことだけを考えるのではなく、何のためにリノベーションをするのか、どのようなリノベーション物件が理想なのか、本来の目的を見失わないことが大切です。

税金や補助金、住宅ローンなど、お金に関する話題の重要性を認識しながら、実はあまり深くは理解していないという方も多いかもしれません。

FULL HOUSEでは名古屋ショールームで「中古を買ってリノベーション まるわかりセミナー」を開催しています。固定資産税はもちろん、その他の税金や補助金制度、住宅ローンまで、さまざまな疑問に対して専門スタッフが丁寧にお応えします。下記専用サイトからご予約の上、ぜひお気軽にご参加ください。
▼ご予約はこちらから

【中古を買ってリノベーション まるわかりセミナー】

\ お気軽にお越しください /