コラム
2022.08.07間取り 家探し 素材・工法
意外と知られていない!?「追い焚き」ができる物件の見分け方
冷めてしまったお湯を温める「追い焚き」機能。冬の寒い時期や、入浴時間がバラバラのご家庭には無くてはならない機能ですよね。しかし、マンションにおいては追い炊きができるマンションときないマンションがあるのです。「追い炊きだけは外せない……!」とお考えの方は、追い炊きができる物件とできない物件の見分け方を身に着けておきましょう。
CONTENTS
追い炊きの仕組みについて
追い炊きには「循環釜直結方式」と「給湯方式」の2種類があります。
循環釜直結方式とは
その名の通りお湯を循環させて浴槽内のお湯を温める方式です。浴槽内に2つの穴があり、下の口から冷たい水を吸い込み風呂釜内で温めて上の口からお湯を出す「自然循環方式」と、1つの穴だけで冷めてしまったお湯を吸い込み、給湯器内で温めてからポンプで浴槽内へ排出する「強制循環方式」がございます。
給湯方式とは
浴槽に再度熱いお湯を足して、浴槽内のお湯の温度を上げる方法を給湯方式といいます。足し湯などとも呼ばれています。エコキュート・エコジョーズなど最近ポピュラーな給湯器には、この足し湯(お湯張り)と追い炊きの強制循環方式が組み合わさっています。
追い焚きができる物件の見分け方
(1)給湯器のリモコンがあるかどうかを確認する
追い焚きができる場合、「追い焚き」機能付きのリモコンがあります。バスルームの内側と外側、両方についている場合もあるので、どちらもチェックしておきましょう。電源と湯量の調節機能だけの場合は追い焚きができないので、ボタンと画面をよく確認しましょう。
※まれに「追い炊き」機能付きのリモコンがあっても、配管がされておらず追い炊きができない場合がありますので、判断に迷う場合には専門業者に調査を依頼しましょう。
(2)給湯器に付いている管の数を確認する
一般的に、給湯器には「水を取り入れる給水管」「室内にお湯を送る給湯管」「ガス管(ガス給湯器の場合)」の3本が接続されています。追い焚き機能が付いている場合、これらに加え「追い焚き管」がついているので、合計4本の管がついていることになります。
(3)給湯器の型番を調べる
「型番」とは、給湯器本体についているアルファベットと数字の羅列のことです。給湯器がどこのメーカーのものか、またその能力や機能を示しています。型番がわかれば、メーカーのホームページなどで詳細を確認できます。本体にある銘板シールの表示をメモ、または写真に撮っておきましょう。
※リモコンに記載されている英数字は、給湯器の型番ではありません。必ず本体の番号を確認しましょう。
追い焚き機能を追加することはできる?
これらのチェックをした上で追い炊き機能がついていないことが分かった後に、追い炊きを追加することはできるのでしょうか?
答えはNOです。
なぜなら、追い焚き管を通すための工事は規約上禁止されているマンションが多いからです。追い焚き管を通すためには、壁に専用のスリーブ(管を通す穴)を新設しなければなりません。これが構造耐力上大切な壁だったとすると、穴を空ける工事は建物の耐久性に影響しますので、ほとんどの場合で「NG」という回答が出てしまいます。
管理会社・管理組合に問い合わせた結果、了承が得られる場合もありますが、どこに穴を開けるべきか調査を行う必要があります。手間と費用と時間がかかることは念頭に置いておいた方が良いでしょう。
追い炊き機能がない場合の対処法
マンションの規約上、追い炊きがつけられなかったとしも落ち込む必要はありません。最近のユニットバスの浴槽は高断熱仕様になっているものが多く、昔に比べてお湯の温度低下が少なくなっています。高断熱浴槽を売りにしている水回り設備メーカーも多数ございます。また浴室暖房乾燥機などを設置し、浴室内の温度低下を防ぐことで浴槽内のお湯の温度も下がりにくくなります。
設備機器の方で工夫を施すことにより、以前の浴室に比べて温かいお湯を長時間使えるようになります。ぜひお試しください。
追い炊き機能付きの物件を選ぶ最善策とは?
ただし、高断熱浴槽や浴室暖房乾燥機の温かさは、追い炊き機能より劣るのは事実です。いかに高断熱でも、冬の寒い日にはお湯の温度が下がりやすく、長時間温かい湯温をキープするのは難しいでしょう。また浴室暖房乾燥機も、室内の温度を快適にすることはできますが、お湯を温かいままにするのは限界があります。
そのため、追い炊き機能が必ず欲しいと考えているのならば、最初から追い炊き機能付きのマンションを選ぶ必要があります。物件探しの段階で、上述した「給湯器のリモコンがあるかどうかを確認する」「給湯器に付いている管の数を確認する」「給湯器の型番を調べる」の3項目は必ずチェックしたいところです。
しかし現実問題として、一般の人が物件の内覧時に追い炊き機能の有無を見極めるのは難しいといえます。
分譲マンションを購入し、その後追い炊き機能の追加をはじめとして、さまざまなリノベーションを考えているのであれば、リノベの専門業者と一緒に現地を訪れるのが得策です。とくに、不動産の紹介とリノベを両方請け負っている会社であれば、中古マンションにどのような機能が備わっていて、物件購入後にどの程度リノベできるかなどが細かいところまで相談しながら進めることができるのでおすすめです。
まとめ
以上、追い炊き機能について解説いたしました。あとから、「追い炊きがつけられない」と知る前に、事前にチェックすることが大切です。ただし、現地で見ただけでは追い炊き機能の有無が正確には分からない場合もあります。
また、現在追い炊きがついていなくても、追い炊きに対応している給湯器が設置されている場合もございますので、分からない場合はマンション管理会社やリフォーム会社に相談をしてみましょう。
中古マンションのリノベーションを考えているのならば、不動産の紹介とリノベを両方行っている会社の担当者と現地を見るのがもっとも失敗のない方法です。
弊社では、「中古リノベまるわかりセミナー」と題して、リノベーションに不向きな物件、中古リノベの費用やスケジュールなど、住宅購入を検討している方の疑問を解消するセミナーを開催しています。追い炊き機能はもちろん、リノベに関するさまざまな話題についてもご案内していますので、ぜひ一度セミナーにご参加ください。