壁の仕上げを塗り壁とクロス(壁紙)で迷っておられる方に読んで欲しい

18.04.08

壁材の種類はとても多く、どんな壁材にするか迷っておられる方も多いのではないでしょうか?壁は内装の中でも部屋の雰囲気を印象づける重要なポイントです。塗り壁とクロスでは見た目も雰囲気もまったく違ってきます。ただし、デザイン性だけでなく、機能面やお手入れ方法・コストパフォーマンスなどの特徴を知っているかどうかで完成後の満足度が変わってきます。トータルバランスで壁材を選ぶことができるよう、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

 

クロス(壁紙)

日本の住宅の90%以上で壁紙が使われています。一般的にクロスと言えばビニールクロスのことを指していることがほとんどです。ここではビニールクロスと、天然素材を原料にしたエコクロスという壁紙の特徴を紹介します。

 

 

ビニールクロス…ポリ塩化ビニールを主原料とする壁紙

 

メリット(1) コストが安い

壁の仕上げ材の中でもっとも安いのがビニールクロスです。施工がとても簡単で工期が短期間になるので、材料費だけでなく、施工費や人件費も抑えることができます。

また、リーズナブルな値段のため気軽に張り替えがしやすいというメリットもあります。

メリット(2) デザインの種類が豊富

加工がしやすい素材なので、デザインのバリエーションや絵柄付きのもの、天然素材の風合いを再現したものなどが次々と開発され、安っぽさを感じさせないビニールクロスも多くあります。デザインの種類が豊富なので選択肢が広がります。

メリット(3) メンテナンスが楽

素材自体がビニールなので水に強い壁紙が多く、汚れにも強いのが特徴です。汚れても簡単に拭き取ることができ、濡れた雑巾や洗剤にも比較的強いので毎日の掃除が楽にできるというメリットがあります。

デメリット(1) 結露やカビが出やすい

素材自体がビニールで通気性や調湿性がないので、適切な換気を行わないと結露やカビの原因となる場合があります。しかし、防カビの機能を持たせた壁紙を選ぶことで、ある程度は改善されます。

 

デメリット(2) 劣化しやすい

年数が経つと、色がくすんできたり、継ぎ目が剥がれやすくなったりすることがあります。ビニールクロスの場合、部分的な補修が困難なため10年から15年で張替えるのが一般的だといわれています。

 

デメリット(3) 化学物質による健康被害

ビニールクロスには、ポリ塩化ビニールの成形をしやすくするための可塑剤、変色やカビを防止する安定剤など、化学物質を多く含有しています。施工の際にシックハウス症候群の原因とされている揮発性有機化合物を発散する場合もあるため、アレルギー体質の方は注意が必要です。

ビニールクロスだけでなく、壁紙を貼るための接着剤にも独特の臭いがあります。匂いが強くなることもあるので、臭いに敏感な人は避けたほうが良いでしょう。

また、燃焼時にダイオキシンなどの有毒ガスを大量に発生するものもあるので、もしもの火災時は非常に危険なため注意が必要です。

 

 

エコクロス…天然素材を原料にした壁紙

 

メリット(1) 環境にやさしい

天然素材が原料のため、燃焼時にダイオキシンなどの有害ガスが発生しません。シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを吸収するので、健康的な住環境をつくることができます。
メリット(2) 住む人にやさしい

例えば珪藻土が原料のエコクロスなら消臭効果、コットンでは通気性など、天然素材が持つ特性を持っているので、空気の浄化作用があり、住む人にやさしい壁紙です。
メリット(3) 臭いが少ない

エコクロスを貼る時の接着剤は、化学物質ではなく天然素材がメインになることが多くなっています。家が完成した時の臭いは、ビニールクロスと新建材ばかりを使った家と比べるとかなり違ってきます。

デメリット(1) 汚れや傷がつきやすい

天然素材が原料なので、ほとんどのクロスが柔らかく、クロス自体に強度を持たせたり、防汚機能をつけたりすることができません。そのため、手で触れることが多い部分は汚れや傷がつきやすい傾向があります。また、種類によっては変色のスピードが速いものや、修復が困難なものもあるため注意が必要です。
デメリット(2) 施工が難しい

エコクロスは薄くて弱いため、施工の際に下地の継ぎ目が筋になってしまう場合があります。施工する職人には、ビニールクロスとは比較にならない高度な技術が必要になります。
デメリット(3) 価格が高く種類が少ない

一般的にビニールクロスと比べると高価なものが多いです。風合いや柄などデザインの種類はビニールクロスより少ないため、選択肢が限られてしまいます。

 

塗り壁

 

塗り壁は落ち着きのある自然な風合いが魅力で人気の高い内装材で、日本では昔からおなじみの壁材です。その中でもよく使われている珪藻土と漆喰の特徴を紹介します。

 

 

珪藻土…植物性プランクトンの化石が堆積してできた土

 

メリット(1) 調湿性が高い

他の自然素材と比べて調湿効果がとても高いのが一番の特徴です。珪藻土には無数の小さな穴が空いており、その穴を通って湿気が行き来できるようになっています。
メリット(2) 消臭性が高い

珪藻土には消臭効果もあります。湿気が減った時に臭いを感じにくくなるという特性を活かしたものなので限界はありますが、部屋の臭いが気になる方には魅力的な壁材となります。
メリット(3) 独特な肌触り

珪藻土の塗り壁は、「ゆず肌」と呼ばれる表面がザラザラとした仕上げになります。壁に陰影ができるので、無機質なツルっとした仕上げより、視覚的にも触覚的にも暖かみを感じられる雰囲気になります。

デメリット(1) 汚れが付きやすく、掃除が困難

珪藻土の小さな穴は調湿効果がありますが、汚れを吸い込んで取れなくなってしまうので染みができてしまいます。拭き掃除ができないので、汚れが気になる場合は塗りなおす必要があります。特にキッチン周りの油汚れや調味料などの汚れは取りにくいので注意が必要です。
デメリット(2) 擦れに弱く、補修が困難

壁にぶつかると珪藻土がポロポロと取れてしまうことがあります。壁に強い衝撃を与えた場合、ひび割れが起こることもあるので使用する場所には注意が必要です。
デメリット(3) 調湿効果が下がることも

珪藻土は単体で固まらないので、つなぎ材を混ぜて壁に塗れるようにしています。珪藻土の原料比率が50%以下の場合がほとんどで、中には珪藻土はほとんど入っていない商品もあります。この場合、珪藻土がもつ調湿効果が失われてしまうことがあったり、珪藻土に混ぜるつなぎ材が原因でシックハウス症候群を引き起こす可能性もあるため、成分をしっかりと確認することが大切です。

デメリット(4) コストが高くなる

塗ってから乾くまで施工する手間や時間がかかるため、クロスと比べて工期が長くなり施工費が高くなります。また、職人によって手作業で進められていくため、職人の経験や技術の違いにより、仕上がりの質や耐久性が変わってくることもデメリットとして挙げられます。

 

 

 

漆喰…石灰石を焼いて、水を加えて消石灰にしたもの

メリット(1) 耐久性が高い

漆喰は耐久性が高く、日本では古くから室内だけでなく外壁や堀などにも使われてきました。

漆喰の成分である消石灰は静電気を溜め込まない性質があるため、ホコリなどを付着させにくいので汚れがつきにくくなります。そのため時間が経っても白さを保つことができます。

また、漆喰は珪藻土と比べてツルっとした仕上がりになるので、多少のことで剥がれ落ちることはありません。白くきれいな壁でシンプルな空間にしたい方におすすめです。

メリット(2) メンテナンスが不要

漆喰は時間が経ってもあまり変化がなくきれいな状態が続きます。基本的にメンテナンスが不要なので、長い目で見ると経済的にもお得になってきます。汚れなどが気になりメンテナンスをする際は、壁を壊すことなく、漆喰壁の上にまた薄く漆喰を上塗りする事できれいにすることができます。軽い汚れであれば消しゴムなどで消すこともできます。

メリット(3) 防カビ・抗菌効果がある

原料が石灰石でアルカリ性のためカビが発生しにくく、化学物質や二酸化炭素を吸着させる効果があります。また、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを分解する効果や、脱臭効果などもあり、健康志向の方には最適の内装材です。

メリット(4) 耐火性・防音性が高い

漆喰はほとんど無機質の不燃素材です。壁に塗った漆喰は時間をかけて元の石灰岩に戻っていくため燃えません。漆喰は加熱されてもダイオキシンなどの有毒ガスが発生することもなく、安全な素材です。

また、重たい素材なので音が通りにくく、防音性が高いというメリットもあります。

メリット(5) 暖かい素材感がある

塗りパターン(模様)を変えることで塗り壁らしい凹凸を出すことも出来ます。凹凸があるとより素材感を感じられるようになります。また形や模様などもつけられるので、記念に家族で手形をつける、なんてことも可能になります。

 

 

デメリット(1) ヒビが入りやすい

漆喰は伸縮性が少ないため、短時間で乾燥させたり地震などの強い力が加わったりすると、ヒビが入ることがあります。ツルっとした仕上げになるため、細かいヒビでも目立ちやすくなります。

デメリット(2) 汚れが目立つ

漆喰は真っ白なので、よく触れるスイッチ回りが手垢で汚れやすくなります。また、水を吸う性質があり水分による汚れは染み込んでしまいます。早めに処置をしないと汚れが落ちなくなってしまうので注意が必要です。もし汚れてしまった場合、汚れの種類や程度によっては消しゴムで消したり、霧吹きで定期的に水をかけることで目立ちにくくなります。細かい紙ヤスリで軽くこする方法や、中性洗剤を使い白い布で染み抜きをするような方法もあります。もしくは上塗りするのも一つの方法です。

デメリット(3) コストが高くなる

塗ってから乾くまでの施工する手間や時間が多く、クロスと比べて工期が長くなり施工費が高くなります。また、職人によって手作業で進められていくため、職人の経験や技術の違いにより、仕上がりの質や耐久性が変わってくることもデメリットとして挙げられます。

 

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壁材の種類ごとのメリット・デメリットをご紹介しました。簡単にまとめますと、安い価格で様々なバリエーションや変わったデザインを楽しみたい方にとってはクロス、身体に優しい素材で将来的なコストパフォーマンスの良さを選びたい方には塗り壁がオススメとなります。

叶えたい理想のインテリアに合わせて、上手に壁材を選んでいけると良いですね。