中古リノベコラム

RENOVATION COLUMN

壁の仕上げを塗り壁とクロス(壁紙)で迷っている方へ、それぞれの特徴をご紹介します。

22.02.05

壁材の種類はとても多く、どんな壁材にするか迷っておられる方も多いのではないでしょうか?壁は内装の中でも部屋の雰囲気を印象づける重要なポイントです。塗り壁とクロスでは見た目も雰囲気もまったく違ってきます。ただし、デザイン性だけでなく、機能面やお手入れ方法・コストパフォーマンスなどの特徴を知っているかどうかで完成後の満足度が変わってきます。トータルバランスで壁材を選ぶことができるよう、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

 

塗り壁とクロス
 

 

1,ビニールクロスの特徴とメリット・デメリット

 

日本の住宅の90%以上でクロス(壁紙)が使われています。一般的にクロスと言えばビニールクロスのことを指していることがほとんどです。

ビニールクロスとは、ポリ塩化ビニールを主原料とする壁紙です。表面はビニールシートで、紙などで裏打ちされて作られています。各メーカーがさまざまなカラーや柄のビニールクロスを開発・販売しています。エンボス加工されているものや消臭効果・防水効果があるものなど多彩なバリエーションがあるので、多くの選択肢のなかから自分の希望にあうクロスを選ぶことができます。
 

 

 

ビニールクロスのメリット

 

・メリット(1) コストが安い

壁の仕上げ材の中でもっとも安いのがビニールクロスです。施工がとても簡単で工期が短期間になるので、材料費だけでなく、施工費や人件費も抑えることができます。

また、リーズナブルな値段のため気軽に張り替えがしやすいというメリットもあります。

 

・メリット(2) デザイン・機能が豊富

加工がしやすい素材なので、デザインのバリエーションや絵柄付きのもの、天然素材の風合いを再現したものなどが次々と開発され、安っぽさを感じさせないビニールクロスも多くあります。デザインの種類が豊富なので選択肢が広がります。
さらに最近は、調湿性・消臭性・抗菌性・防カビ性・防水性・蓄光性など、多彩な機能を持つビニールクロスも販売されています。それぞれの部屋のタイプや用途などによって、最適な機能を選ぶことができるのもビニールクロスの魅力の1つです。
 

・メリット(3) メンテナンスが楽

素材自体がビニールなので水に強い壁紙が多く、汚れにも強いのが特徴です。汚れても簡単に拭き取ることができ、濡れた雑巾や洗剤にも比較的強いので毎日の掃除が楽にできるというメリットがあります。

 

ビニールクロスのデメリット

 

・デメリット(1) 結露やカビが出やすい

素材自体がビニールで通気性や調湿性が低いので、適切な換気を行わないと結露やカビの原因となる場合があります。しかし、最近は各メーカーが多機能なビニールクロスを開発しているので、防カビの機能を持たせた壁紙を選ぶことで、ある程度は改善されます。

また結露やカビ以外にも、ビニールクロスは静電気が発生するため、ホコリや汚れが付きやすい特徴もあります。室内のホコリが吸着し、そこに汚れや油が付き、カビや黒ずみの発生原因にもなります。

 

・デメリット(2) 劣化しやすい

年数が経つと、色がくすんできたり、継ぎ目が剥がれやすくなったりすることがあります。ビニールクロスの場合、部分的な補修が困難なため10年から15年で張替えるのが一般的だといわれています。

 

・デメリット(3) 化学物質による健康被害

ビニールクロスには、ポリ塩化ビニールの成形をしやすくするための可塑剤、変色やカビを防止する安定剤など、化学物質を多く含有しています。施工の際にシックハウス症候群の原因とされている揮発性有機化合物を発散する場合もあるため、アレルギー体質の方は注意が必要です。

ビニールクロスだけでなく、壁紙を貼るための接着剤にも独特の臭いがあります。臭いが強くなることもあるので、敏感な人は避けたほうが良いでしょう。

また、燃焼時にダイオキシンなどの有毒ガスを大量に発生するものもあるので、もしもの火災時は非常に危険なため注意が必要です。

 

 

 

2,エコクロスの特徴とメリット・デメリット

 

クロス(壁紙)には、ビニールクロス以外にも、天然素材を原料にした「エコクロス」というものもあります。具体的には、素材に紙・布などを使ったものです。

紙は、パルプを使った洋紙、コウゾ・ミツマタなどを主原料とする和紙、ケナフなどの特殊紙など、素材ごとにバリエーションも豊富です。布は、木綿やコットン、レーヨンなどの化学繊維を含んだものなどがあります。またこのほかにも珪藻土(けいそうど)やオレフィン樹枝を使ったクロスもエコクロスに分類されます。

エコクロスは環境や健康面以外にも、高級感や意匠性などの観点からも注目を集めています。ビニールクロスに替わるものを探している人にとって、エコクロスは有力な選択肢となり得る壁材です。
 

エコクロスのメリット

 
・メリット(1) 環境にやさしい

天然素材が原料のため、燃焼時にダイオキシンなどの有害ガスが発生しません。シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを吸収するので、健康的な住環境をつくることができます。
 

・メリット(2) 住む人にやさしい・意匠性が高い

例えば珪藻土が原料のエコクロスなら消臭効果、コットンでは通気性など、天然素材の特性を持つので、空気の浄化作用があり、住む人にやさしい壁紙です。
また自然由来の素材がもつ温かみや高級感は、ビニールクロスには出せない魅力の1つです。塗装壁よりは価格が安価なので、比較的低コストで、室内の雰囲気に高い意匠性や独特の風合いを持たせたい場合などにも適しています。
 

・メリット(3) 臭いが少ない

エコクロスを貼る時の接着剤は、化学物質ではなく天然素材がメインになることが多くなっています。家が完成した時の臭いは、ビニールクロスと新建材ばかりを使った家と比べるとかなり違ってきます。

 

エコクロスのデメリット

 

・デメリット(1) 汚れや傷がつきやすい

天然素材が原料なので、ほとんどのクロスが柔らかく、クロス自体に強度を持たせたり、防汚機能をつけたりすることができません。そのため、手で触れることが多い部分は汚れや傷がつきやすい傾向があります。種類によっては変色のスピードが速いものや、修復が困難なものもあるため注意が必要です。
また、とくに布素材のエコクロスは防火認定を受けている商品が少ないため、もしキッチン周りに使いたい場合は選択肢が限定的になります。耐水性もビニールクロスに劣るので、キッチンだけでなく、トイレや洗面所などでの施工にもあまり適していません。

 

・デメリット(2) 施工が難しい

エコクロスは薄くて弱いため、施工の際に下地の継ぎ目が筋になってしまう場合があります。施工する職人には、ビニールクロスとは比較にならない高度な技術が必要になります。

そのため、業者によってはエコクロスの施工が得意ではない場合もあるので、品質にバラツキが出てしまう可能性もあります。エコクロスが得意な業者を見つけるまで時間がかかるケースもあるので、その場合工期が延び、コストも増加してしまいます。
 

・デメリット(3) 価格が高く種類が少ない

一般的にビニールクロスと比べると、エコクロスは高価なものが多い傾向にありますです。また、施工の難しさから施工業者の見積もりも高くなることもあります。全体的にビニールクロスよりも、コストがかかる点については留意しておくべきでしょう。
さらに、風合いや柄などデザインの種類はビニールクロスより少ないため、選択肢が限られてしまいます。素材が持つ機能の多様性も、ビニールクロスに軍配が上がります。
 

 

3,珪藻土の特徴とメリット・デメリット

 

多くの住宅でクロス(壁紙)が使用されている一方、「塗り壁」を選ぶ人も増えています。塗り壁は落ち着きのある自然な風合いが魅力の内装材で、日本では昔からおなじみの壁材です。

塗り壁にもいくつか種類がありますが、代表的なものに「珪藻土(けいそうど)」があります。珪藻土は、植物性プランクトンの化石が堆積してできた土で、高温多湿の日本の住環境に適した自然素材です。

 

 

珪藻土のメリット

 

・メリット(1) 調湿性が高い

他の自然素材と比べて調湿効果がとても高いのが一番の特徴です。珪藻土には無数の小さな穴が空いており、その穴を通って湿気が行き来できるようになっています。梅雨から夏場の湿度の高い時期には、珪藻土が湿気を吸って快適性を高めます。冬場の乾燥の時期には逆に湿気を放出するので、結露の防止にも役立ちます。
 

・メリット(2) 消臭性が高い

珪藻土には消臭効果もあります。湿気が減った時に臭いを感じにくくなるという特性を活かしたものなので限界はありますが、部屋の臭いが気になる方には魅力的な壁材となります。特に、たばこや食事、ペットの臭いなど、生活臭に効果があるとされています。

 
・メリット(3) 独特な肌触り

珪藻土の塗り壁は、「ゆず肌」と呼ばれる表面がザラザラとした仕上げになります。壁に陰影ができるので、無機質なツルっとした仕上げより、視覚的にも触覚的にも暖かみを感じられる雰囲気になります。

 

珪藻土のデメリット

 

・デメリット(1) 汚れが付きやすく、掃除が困難

珪藻土の小さな穴は調湿効果がありますが、汚れを吸い込んで取れなくなってしまうので染みができてしまいます。拭き掃除ができないので、汚れが気になる場合は塗りなおす必要があります。特にキッチン周りの油汚れや調味料などの汚れは取りにくいので注意が必要です。

 
・デメリット(2) 擦れに弱く、補修が困難

壁にぶつかると珪藻土がポロポロと取れてしまうことがあります。壁に強い衝撃を与えた場合、ひび割れが起こることもあるので使用する場所には注意が必要です。また地震などの揺れでも、ひび割れが出てくることがあります。大きなひび割れを、自分で補修するのは困難なため、業者に依頼することになります。

 
・デメリット(3) 調湿効果が下がることも

珪藻土は単体で固まらないので、つなぎ材を混ぜて壁に塗れるようにしています。珪藻土の原料比率が50%以下の場合がほとんどで、中には珪藻土はほとんど入っていない商品もあります。この場合、珪藻土がもつ調湿効果が失われてしまうことがあったり、珪藻土に混ぜるつなぎ材が原因でシックハウス症候群を引き起こす可能性もあるため、成分をしっかりと確認することが大切です。

 
・デメリット(4) コストが高くなる

塗ってから乾くまで施工する手間や時間がかかるため、クロスと比べて工期が長くなり施工費が高くなります。また、職人によって手作業で進められていくため、職人の経験や技術の違いにより、仕上がりの質や耐久性が変わってくることもデメリットとして挙げられます。

 
 

4,漆喰の特徴とメリット・デメリット

 

塗り壁におけるもう一方の選択肢として「漆喰」があります。漆喰とは、石灰石を焼いて、水を加えて消石灰にしたものです。漆喰は珪藻土に比べて、耐久性があり、壁材が剥離しにくいなどの特徴があります。そのほかのメリットに加えて、デメリットも確認しておきましょう。

 

 

漆喰のメリット

 

・メリット(1) 耐久性が高い

漆喰は耐久性が高く、日本では古くから室内だけでなく外壁や堀などにも使われてきました。

漆喰の成分である消石灰は静電気を溜め込まない性質があるため、ホコリなどを付着させにくいので汚れがつきにくくなります。そのため時間が経っても白さを保つことができます。

また、漆喰は珪藻土と比べてツルっとした仕上がりになるので、多少のことで剥がれ落ちることはありません。白くきれいな壁でシンプルな空間にしたい方におすすめです。
 

・メリット(2) メンテナンスが不要

漆喰は時間が経ってもあまり変化がなくきれいな状態が続きます。基本的にメンテナンスが不要なので、長い目で見ると経済的にもお得になってきます。汚れなどが気になってメンテナンスをする際は、壁を壊すことなく、漆喰壁の上に薄く漆喰を上塗りする事できれいにすることができます。軽い汚れであれば消しゴムなどで消すこともできます。
 

・メリット(3) 防カビ・抗菌効果がある

原料が石灰石でアルカリ性のためカビが発生しにくく、化学物質や二酸化炭素を吸着させる効果があります。また、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを分解する効果や、脱臭効果などもあり、健康志向の方には最適の内装材です。
 

・メリット(4) 耐火性・防音性が高い

漆喰はほとんど無機質の不燃素材です。壁に塗った漆喰は時間をかけて元の石灰岩に戻っていくため燃えません。ビニールクロスと違い、加熱されてもダイオキシンなどの有毒ガスが発生することもなく、安全な素材です。

また、重たい素材なので音が通りにくく、防音性が高いというメリットもあります。
 

・メリット(5) 暖かい素材感がある

漆喰は塗りパターン(模様)を変えることで塗り壁らしい凹凸を出すことも出来ます。凹凸があるとより素材感を感じられるようになります。漆喰は和風の家だけでなく、洋風のオシャレな住宅にも合うので、意匠性にこだわる人にとっても人気です。
また、形や模様などもつけられるので、記念に家族で手形をつける、というなんてことも可能になります。職人の手仕事によって、ビニールクロスや珪藻土にはない独特な味わいが出せるのもメリットです。
 

漆喰のデメリット

 

・デメリット(1) ヒビが入りやすい

漆喰は伸縮性が少ないため、短時間で乾燥させたり地震などの強い力が加わったりすると、ヒビが入ることがあります。ツルっとした仕上げになるため、細かいヒビでも目立ちやすくなります。
 

・デメリット(2) 汚れが目立つ

漆喰は真っ白なので、よく触れるスイッチ回りが手垢で汚れやすくなります。また、水を吸う性質があり水分による汚れは染み込んでしまいます。早めに処置をしないと汚れが落ちなくなってしまうので注意が必要です。もし汚れてしまった場合、汚れの種類や程度によっては消しゴムで消したり、霧吹きで定期的に水をかけることで目立ちにくくなります。細かい紙ヤスリで軽くこする方法や、中性洗剤を使い白い布で染み抜きをするような方法もあります。もしくは上塗りするのも一つの方法です。
 
・デメリット(3) コストが高く、職人の質に左右される

漆喰は何度も塗り重ねていくため手間と時間がかかります。さらに、塗ってから乾くまでの時間もかかり、クロスと比べて工期が長くなるので施工費が高くなります。下塗りが必要な分、漆喰は珪藻土よりややコストが割高になるといわれています。
また、職人によって手作業で進められていくため、職人の経験や技術の違いにより、仕上がりの質や耐久性が変わってくることもデメリットとして挙げられます。
 

 

5,まとめ

 

壁材の種類ごとのメリット・デメリットをご紹介しました。
 
「ビニールクロス」のメリットは、低コスト、デザインのバリエーションと豊富な機能、メンテナンス性で、デメリットはカビや汚れが付きやすい点や劣化しやすさなどです。「エコクロス」のメリットは環境や人への優しさ、施工後の臭いが少ない点で、反対にデメリットには傷が付きやすい点や、ビニールクロスに比べてコストが高くなることが挙げられます。また、塗り壁を「珪藻土」にすると、調湿性や消臭性など、生活環境の快適性が向上するでしょう。独特な素材感が温かな雰囲気を作り出す点も人気の理由です。一方で、汚れの付きやすさやメンテナンスの難しさ、クロスに比べてコスト高になる点がデメリットです。また、日本家屋に特徴的な「漆喰」は、洋風の室内にも合うオシャレさに加え、耐久性・防カビ性・抗菌性・耐火性・防音性など機能面でも優れています。メンテナンスが楽なのも魅力の1つです。ただし、ひびや汚れが目立ち、職人の手作業による仕上げなので、手間と時間とコストがかる点には注意が必要です。
 
壁材の特徴は、素材によってさまざまです。コストやバリエーション、デザインや機能性、環境面や健康面、快適性や将来までを見据えたサステナビリティなど──住宅に何を求め、何を大事にしたいのかを考えて壁材を選ぶのがいいでしょう。
 
弊社では、クロスや塗り壁などさまざまな壁材を使った多くの施工事例があります。実際の内装写真を見ることで、具体的なイメージがわいてくるかもしれません。また、気になった事例に使われている素材を知りたい方は、ぜひショールームまでお越しください。住まいの悩みや要望について、専門スタッフが分かりやすくお応えします。

 

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